前回、不動産を活用することの注意点として、事業計画の範囲で借金をすることが必要、と解説しました。
不動産の活用は事業ですので、押さえておかなければならない点がたくさんあります。
「相続をした家の周りに空き家が増えて資産価値が減ってしまった」
「相続した土地に借金をしてアパートを建てたのはいいけれど、部屋が埋まらず家賃収入が不安定だ」
「不動産の活用をやめたいが、なかなか買ってくれる人が見つからない」
このような状況が生じる可能性があります。
今回は、どのような点について考慮しなければならないか、注意点を解説していきます。
資産運用について
不動産に限らず、まず、資産運用をする、ということについて、検討する基準となることは3つあります。
「安全性」
「収益性」
「流動性」
まずはこの基準についてみていきます。
安全性
投資した元本が返ってくるか、守られるか、という基準です。
確実に戻ってくる資産は安全性が高い、と言われます。
金(ゴールド)や不動産などが例で、そのものの価値が残るものは安全性が高いです。
収益性
より多くの収益が得られるかどうか、という基準です。
例えば、株式です。
日々、価格が変わっていくため、大きな収益をあげられる可能性があります。
流動性
現金に換えるスピードが速いか遅いかという基準です。
例えば、預貯金などはすぐに換金できる商品です。
不動産活用のデメリット
不動産は、流動性が低い資産です。
デメリットはこのことから発生しています。
つまり、不動産は資産価値が高いため、売却しようにも買い手を見つけることに時間がかかります。
流動性が低いために、現金に換えたくても時間がかかってしまうのです。
加えて、現物の不動産投資には諸経費が発生します。
これは不動産の資産価値の高さに起因することです。
建物の建築には、様々な費用が発生します。
・設計料
・監理料
・不動産取得税
・登録免許税
・関係する専門家に対する報酬やその他の費用
建築後は、建物の維持および管理のためにも以下のような費用がかかります。
・火災保険料
・固定資産税
・都市計画税
・税務申告のための税理士報酬やその他の費用
資産価値を維持するためにはリフォーム代などもかかりますね。
収益性を確保するための不動産の維持にもコストが発生します。
不動産の活用のためには、このように少なからぬ費用がかかります。
実行すると簡単には後戻りできないのも流動性の低さによるものです。
まとめ
不動産の資産としても特徴を説明しました。
流動性の低さゆえ、また言い換えれば安全性の高さゆえ、注意しなければならない点がありました。
相続のため、というよりは広く周辺状況を考えていかなければなりません。
これが参考になれば幸いです。