不動産 青色申告
相続の税金

不動産を相続して事業を始める時の青色申告の手続き方法

相続が発生した場合、煩雑な税金の手続きが発生します。亡くなった被相続人が不動産などの事業を行っていた場合は、準確定申告も必要です。

また、自身が青色申告を始めたい場合、被相続人が「青色申告」「白色申告」のどちらをしていたかで書類提出の期限が異なります。申請遅れにならないためにも、制度の概要を把握しておくことが大切になります。

 

確定申告とは

毎年1月1日から1年間の所得にかかわる税金(所得税及び復興特別所得税)の金額を計算して、申告期限までに申告・納税する手続きのことです。

去年1年分の売上・経費を全て確認して翌年の3/15までに手続きを行います。

 

収入が発生する資産を相続したら確定申告

賃貸マンション・アパート等の「家賃収入が発生する不動産」を相続し、相続開始後も引き続き相続人が賃貸収入を得る場合は、不動産所得を確定申告を行います。

 

相続した土地・建物を売却した場合も

相続した土地や建物を売却した場合、売却した金額から財産を取得するのに要した費用の差額が「譲渡所得」になります。こちらも不動産所得と同様、確定申告の対象です。

 

準確定申告とは

死亡した被相続人の所得税について確定申告を行うことを「準確定申告」といいます。

翌年3/15が〆切の確定申告と異なり、「被相続人の相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、被相続人に代わって相続人が行います。

 

1月1日から相続開始までに被相続人に所得がある場合に必要

準確定申告の対象は「1月1日から相続開始までの間に被相続人に一定の所得があった場合」です。

被相続人が以下のいずれかに該当する時は、相続人が代わりに所得税の申告を行います。

  • 個人事業主
  • 給与収入が2,000万円を超える
  • 給与所得・退職所得以外の所得が合計で20万円以上
  • 医療費が高額で準確定申告をすることで還付が受けられる場合
  • 不動産収入・家賃収入・利子収入を受け取っていた場合

 

青色申告とは

確定申告には、申告の仕方によって「青色」と「白色」に分けられます。青色申告は10万円の特別控除が受けられる「簡易簿記」、65万円の控除が受けられる「複式簿記」の2種類です。一方の白色申告ではこれらの控除が受けられません。

相続後の確定申告も、青色申告を選択する場合は期限までに申請手続きが必要です。

 

事業を相続しても青色申告は引き継がれない

不動産事業を相続を故人が青色申告で行っていたとしても、相続人の事業に引き継がれることはありません。

相続人が以前から確定申告を行っていた場合を除き、青色申告を適用したい場合は「改めて青色申告承認申請書を税務署に提出」する必要があります。

相続したことで初めて事業を開始した場合は、「個人事業開業届出書の提出」も併せて行います。

 

相続があった場合の青色申告

相続した事業について青色申告の開始を申請するとき、被相続人が青色申告をしていたか、白色申告をしていたかによって手続きの期限が異なります。

申請が間に合わないと特典がない白色申告になってしまうため、それぞれの期限までに確実に手続きを行う必要があります。

 

被相続人が青色申告をしていた場合

「亡くなった日から4ヶ月以内」に提出するのが原則です。ただし、9月以降10月末までに亡くなった時はその年の12月31日までが申告期限となります。

同じく、11月以降に亡くなった時は翌年に2月15日までが申告期限です。

原則は4ヶ月であるものの、9月以降は翌年にまたがりすぎないように調整されているのです。

 

被相続人が白色申告をしていた場合

白色申告だった場合は、青色申告のように申告期限の特例は使えません。原則に従い、その年の3月15日か亡くなられた日から2ヶ月以内のいずれか遅い日までに青色申告承認申請書を税務署に提出しなければいけません。

 

まとめ

今回は、不動産業を相続した場合の確定申告・準確定申告・青色申告の考え方と、青色申告を始めるための申告期限を紹介しました。

被相続人が青色申告か白色申告かで相続人の青色申告承認申請書の提出期限が異なる点に注意し、確実に期限内に申請を終わらせましょう。

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